この本「われとともに老いよ、楽しみはこの先にあり」で、著者リングは連邦刑務所の一年を後振り返っている。こういう風に前向きに考えることのできる人も多くはあるまい。この自由を獲得するために、塀の中に入りたがる人は居ないと思うけれど。
囚人としての経験についていえば、人に勧めたくなるほど楽しかったとまではいわないが、何の意味もない一年間だったとは思っていない。まず、刑務所は人との付き合いの幅を広げてくれるのは間違いない。それに、塀の中にはT・E・ロレンスがショー二等兵として経験したような安らぎ―責任からすべて解放されることによって生じる心の平穏―があった。これは自分で自由に期間が設定できる隠遁生活からは生まれようのないものだ。選択の要素は存在してはならないのだ。自分の力では何ひとつどうしようもないと分かった瞬間、思考が完全な自由を獲得する。
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