Tさんへ施設に居る親の近況報告

 ご無沙汰を続け、申し訳ありません。
 Tさん、ご自身の健康にまずはご留意受け取りください。その上で、母の現状を報告いたします。
 母の方は、歳も歳ですので、あちこち故障があってもおかしくはない。現に、会社で働いていた私の携帯電話に、今月初めに施設から緊急連絡を受けたばかりです。急に熱を出して、病院に診てもらう必要あり、誰か付き添って欲しいという。そんなこといきなり言われても、仕事を放って駆けつけるわけにはいきません。もともと母の月々の介護費用を何とかひねり出すための仕事ですから。出かけられない代わりに、電話で、医者の往診等をお願いしておきました。
 その後、連絡して分かったことは、どうやら風邪をこじらせて、気管支炎にかかったようです。先生からは、抗生剤を1週間分出していただいたそうです。
 先週、また連絡があり、さらに抗生物質を追加してもらったようです。便りがないのはよい知らせと言うことで、今は落ち着いていると信じております。長きにわたる親の介護から、実は同じトラブルは何度も経験済みです。
 そうはいっても心配は心配なので、先月分の介護費用の支払いをかねて、今週施設に寄る予定を立てておりました。ところが、そこへ例の大地震です。会社からは自宅待機を命じられ、さらに交通機関の不通も重なり、文字通り身動きが取れない状態です。
 一方、おかげさまで我が家皆無事です。また、恐れていた津波警報も解除され、高台へ避難には及ばないと楽観視しております。何とかこの危機に対処していきましょう。
 それでは奥様によろしくお伝え下さいますようお願いいたします。

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老人施設の担当者の笑顔に助かる

 その日も会社の昼休みを利用して、施設に出かける。地下鉄の駅から施設までの間に、途中スーパーS店がある。母の好物の果物入りヨーグルトを買っておく。
 母の居る部屋は3階。その階の窓口に、食べ物を持参した旨を伝える。介護士のおねえさんが、一緒に部屋まで来てくれる。ベッドに寝たきりの母を、起こして車いすに移してくれる。
 最初、私が自分で起こそうとしたら、イエイエこちらでやりますと言って、さっさと慣れた手つき(腰つき?)で移動させてくれるのだ。あれはコツが必要で、下手をするとこちらが腰痛になりそう。
 それはともかく、介護士の手を煩わせたくないので、これまではあえて黙って、食べさせてきた。あるとき、介護士に相談したら、座らせないとのどがつまる恐れがあるので、指示に従ってくださいとのこと。
 この施設で働く若者の接客態度には本当に感心する。いくら施設が強制しようが、やはりこれはなかなか続けられるものではない。
 病院と施設とを、さんざんたらい回しにされた後、出会った終の棲家。本人はもうすっかり自分の家だと思い込んでいる。まだ家財道具が残っている団地のことは記憶から消え失せたようだ。私が顔を出すと、「アーお前か、何も(食べさせてあげるものを)出せないけど、ゴメンね」

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いつ死ぬか、どこで死ぬか

 自分で自由にそれを決められたら、一番いいのだろう。でも果たしてそれが可能かどうかは分からない。
 ふと思うことがある。オヤジは最後は埼玉の病院で亡くなった。痴呆になり、病院を転々と追い出され、そこはオヤジの故郷でもなければ、実家でもなし、長男であるオレの家とも縁はない。ケアマネージャーがふと漏らした候補の一つに過ぎない場所。オレが藁にもすがる思いで見つけた場所だった。
哀しいアフリカ―国際女探偵、呪術の大陸を行く」からの引用。

 死ぬとすればどこがいいだろうかと、わたしは考えた。が、死に特別な意味を与えてくれる特別な場所など一つも思いつかなかった。どこで死ぬか。そんなことはどうでもいい。わたしを悩ませているのは、いつ死ぬかだ。わたしは昔から人生を一幅の絵のようにも、エジプトの古墳の壁に描かれたヒエログリフのようにも、映画の一巻のフィルムのようにも思っていた。要するに、最後の部分が一番重要なのだ。一番すばらしくなければならない。

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これがオレオレ詐欺か

 実家にはいると、電話に留守録が入っている。聞いてみると、聞いたことのない声。内容がおもしろい、記録しておこう。これが振り込め詐欺というかオレオレ詐欺か。もっとも話し手はオレじゃなくて、20代?の女性の声。
 まず一度目は、8月26日午前7時半、「エーット、キャッシュカードの紛失なんですけれど」
 二度目が同日7時38分、「もしもし、アッ、すいませんけれど、アノー、キャッシュカードを紛失したので連絡したいんですけれど。電話番号、043-444-0805、口座番号、千葉銀行ヤチマタ支店、2159113、フクダユタカ、お願いします」
 三度目、同日7時40分頃、「。。。」無言のまま。
 考察:稚拙な手口だ。どうやってこの番号をねらったのかは、不明。おそらくデタラメだろう。寝たきりの老夫婦という家族構成を知っていればこんな若い娘の声じゃ使えるわけがない。娘が親にお金をおねだりするのに、「お願いします」と言うかな?それに、娘をかたっておいて、「フクダユタカ」はないだろう。

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